「のこりいとシャツ」第2弾が完成

残糸(ざんし)とは端材の残った糸のことで、一つのタオル工場だけでも年間でフェイスタオル5万枚分以上の残糸がでるとされています。これまで残糸は、資産計上されてしまうため廃棄されることが多く、また再利用されても油仕事専用ですぐに汚れるから何色でもいいという理由から、工業用軍手にしか使われてきませんでした。

そんな残糸をアップサイクルし、SDGsを実現できるTシャツ作りに2021年から挑戦しています。このたび、第2弾となるTシャツが完成しました。

今年のTシャツは、首と脇を斜めにつなぐラインで生地が切り替えられている「ラグランスリーブ」をデザインに取り入れ、腕を上げやすいという特徴もあることから、オーバーサイズとあわせてリラックス度を高めました。また襟元には、「Vガゼット」とよばれるスウェットなどでよくみられるV字の切り替えをつけ、伸びやすい首まわりの生地を補強するデザインに仕上げました。

じつは当初、Tシャツではなくポロシャツを作ってみてはどうかと、みんなで相談していました。ですが6月はじめに、今年は夏の前半にかけてラニーニャ現象が続き猛暑になるというニュースをマーチャンダイジング(商品化計画)を学ぶメンバーが知り「去年より猛暑になりそうだから、ポロシャツより涼しく過ごせるTシャツのほうが需要がある」と提案。それを受け、計画を変更しました。

また、残糸だけではなく素材にコットンを使うことも決め、SDGsの観点から環境負荷が低いオーガニックコットンを使う予定でした。ですが、ウクライナ問題の影響でオーガニックコットンの価格が世界的に2倍近く高騰してしまい、通常のコットンに変更を余儀なくされました。

ウクライナ問題が、わたしたちにまったく関係がないことではなく、日常生活に影響を与えているんだということも、Tシャツを通じて知ってもらえればうれしいです。

のこりいとシャツ第2弾の検品をする学生

そんな紆余曲折した第2弾のTシャツですが、きたる7月5日に前田晋太郎下関市長に完成報告するため、表敬訪問をおこなう予定です。

また同日より、みなさまにご購入いただけます。今回もご購入代金の10%は、途上国の子ども達に教育を届ける国際NGOルーム·トゥ·リード」に寄付させていただきます。

ぜひとも、今年の夏のワードローブに加えていただければうれしいです。